福岡のマンションはいつまで高くなるの?


[不動産エージェントコラム]

福岡のマンションはいつまで高くなるの?

自宅マンションの「固定資産税」と「都市計画税」の
納税通知書が郵送されてきた。
家屋の課税標準額は前年と変わらずだが、
土地の「固定資産税」「都市計画税」ともに前年比7%アップしていた。
区役所に確認すると、地価の上昇によるものとのこと。
なるほど、西区(福岡市)の地価も上がっているのか。

先月26日、不動産取引の基準価格といわれる
2024年の「公示地価」(今年1月1日時点の土地の価格)が公表された。
上昇が続いていた福岡県の地価は、
なんと今年も全国トップクラスの上昇率だったらしい。
いったいいつまで高くなるんだろうか。

そこで、少し福岡の地価上昇の状況を調べてみた。
※以下記事は公開情報からデータ引用等を含む。

◎福岡県の地価は今後も上昇が続く見込み
福岡県内では、住宅地、商業地、工業地3つの用途の平均変動率が10年連続で上昇し、上昇率は全国1位!しかも3年連続で上昇幅が大きくなっているそうだ。
用途別の上昇率では「商業地」が4年連続の全国1位、「住宅地」が2位、「工業地」が4位とのこと。福岡市の地価の上昇率、恐るべし!

◎「公示地価」福岡県の住宅地トップは「大濠1丁目」。
福岡県の「住宅地」で価格トップとなったのは、去年と同じく福岡市の「中央区大濠1丁目」。1㎡あたりの価格は114万円、前年より17万円もアップ!福岡市内では再開発や人口増加などを背景に、新築分譲マンションの販売がまだまだ好調で、利便性の高い都市部エリアの物件は実需としても投資物件としても人気が高く、今後も地価の上昇が続くと見込まれているらしい。

◎「公示地価」福岡県の商業地トップは「博多区竹丘町2丁目」。
福岡県の「商業地」で上昇率トップとなったのが、福岡市「博多区竹丘町2丁目」。周辺では、3月16日に西鉄天神大牟田線で14年ぶりの新駅「桜並木駅」が開業。線路が高架化されて周辺道路での渋滞が解消されたこともあり、上昇率は前回より7ポイントも高い21.6%となったそうだ。

◎「公示地価」工業地 上昇率トップは「志免町別府西1丁目」。
福岡県の「工業地」で上昇率トップだったのが「志免町別府西1丁目」。上昇率は20.2%で全国9位にランクイン!福岡市中心部や福岡空港からのアクセスもよく、高速のインターも近い志免町は昨年9月に新たな大型物流施設が竣工するなど、物流の拠点としても需要が高まっているそう。この高い上昇率の背景には、世界的な半導体メーカー「TSMC」の熊本県進出の波及効果もあるのではとのこと。県内の地価が県外から影響を受けるなんて、イマドキなんですね。

◎売れる新築マンション、売れない新築マンションの二極化?
昨今地価上昇が続く福岡県ですが、専門家の間ではマイナス金利政策の解除の影響が出る可能性があるとも指摘されています。
金融緩和などでさらに高騰した土地と値上がりした建築費や工務費などのコストを販売価格に転嫁して一段と物件が高くなるのではとのこと。実際、福岡市内だけでなく、佐賀市や長崎市などでも「億ション」や「タワマン」が発売され、高額な住戸が早々と完売しています。
そんな高額物件でも購入希望者がいるんですね。しかし中には郊外や難しい立地では、なかなか売れない物件が出てくる可能性が高まってくるとも言われています。

◎まとめ

福岡県の地価上昇についてお伝えしてきましたが、
今後の金利政策によっては「売れる物件」と「売れない物件」とに二極化する可能性もありそうです。
予想ですが、そのうち売れないマンションが値引き販売され始めると、
市場全体に影響が出てくるかもしれません。
「うーん、じゃいつマンション買ったらいいの??」となりますが、
実需であれば「買いたいときが買い時」とはよく言われます。
その欲しいと思ったマンションの部屋と全く同じ部屋(階数等)はどこにもありませんので。

不動産エージェントとして個人的な意見ですが、
無理して住宅ローンを組んで新築マンションを狙うより、
中古マンションを探すことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
このところ都市部の中古マンションも高くなっていますので、
今のうちに「身の程」の価格帯で「ちょっと郊外だけど交通利便性の良い中古マンション」を探す、
というのも選択肢の中に入れておいた方がいいかもしれませんね。